薬膳料理をもっとキッチンに


 薬膳料理を身近に感じられない理由。

 それは、目的、魅力、良さが、わたしたちの食生活にまだまだ、正確に伝わっていないことが上げられます。

 また、薬という字が使われているので、はじめての方は、自然界の薬草のみを使う料理と勘違いされている方も多いでしょう。

薬膳料理って…

日本人は、四季の季節感を大切にします。

健康的な料理イコール旬の野菜たっぷりな献立を意識されるかもしれません。

 

季節の旬や個人の体質

 薬膳は、四季に合わせた旬の野菜(季節に出やすい不調)を使うことをもちろん意識しますが、もっと意識することがあります。

 それが、体調・体質・季節に出やすい悩みなど、個人のタイプです。

 春に出やすい湿疹、夏に出やすい熱症状、秋に出やすい乾燥症状、冬に出やすい冷えの症状に合わせて食材を選んでいくこともあります。


 

 薬膳料理は、個人の体質や体調に意識を向け、普段の身近な食材を主に使っていきます。

 基本は、身のまわりにある食材で、苦味の多い薬草を主に使うお料理ではありません。

 

 薬膳料理は、美味しそうに思えない、見えないことが多く感じるのは、こういう理由からかもしれません。

 珍しい調味料、スパイスをいくつも使用して、見た目の派手さや珍しさを特徴としたお料理ではありません。

 調味料や、油、お砂糖などの濃い味を主体にした、味の美味しさのみを追求したお料理でもありません。

 食材の性質・五味(酸味・苦味・甘味・辛味・塩辛い味)・効能を、悩みに併せて巧みに用い、組み合わせることで、からだへの効果を倍増させることで、不調を積極的に改善していきます。

 使用する調味料は、料理によってさまざまですが、日本人になじみのある、お醤油やお塩、お酒、お酢、お砂糖などを献立に合わせて、薄味に仕上げていきます。 

気血水体質別の薬膳料理

気虚タイプ ききょ


 気(生命エネルギー)の不足している気虚タイプの人におすすめの献立です。

 気を補うはたらきのある食材を使って献立をたてます。

 

 気虚タイプの人は、疲れやすい、胃腸が虚弱、風邪をひきやすいなどの不調が多くなりがちです。

魚と野菜のスープ


野菜をたっぷり入れた豆乳風味の優しいスープです。小さいお子様からお年寄りまで、年齢に関係なく美味しく食べられます。

 

炊き込みごはん


豆類、木の実などの具材に、もち米を入れもっちりと炊いてみました。

小さなお子さまでも、ほくほくと美味しく食べられます。

 



気滞タイプ きたい


 気(生命エネルギー)の停滞している気滞タイプの人におすすめの献立です。

 気を巡らすはたらきのある食材を使って献立をたてます。

  

 気滞タイプの人は、イライラしたり鬱っぽくなるなどして、からだに要らない熱が溜まりやすくなることがあります。

ロールキャベツ


 中の種に、ミンチ、セロリや落花生などを入れています。

 トマトソースに甘味を出すため、甘酒を攪拌してみました。

 子どもにも受けるように、ソーセジも入れて食べやすくしました。 

サラダ


香りの良い、はっさくとさやえんどうのあっさりした、サラダです。



血虚タイプ けっきょ


 血の不足している血虚タイプの人におすすめの献立です。

 血を補うはたらきのある食材を使って献立をたてます。

 

 血虚タイプの人は、顔が白っぽい、めまいがある、すぐに起きられないなどの症状が出やすいです。

パエリア


 スペイン料理のパエリアを、ちょっと志向を変えて、にんじんや豆類も入れて炊いてみました。

 

温野菜サラダ


野菜を柔らかく蒸して、ドレッシングも薄味の手づくりにして、さっと和えています。



血瘀タイプ


 血が停滞している血瘀タイプの人におすすめの献立です。

 血を巡らすはたらきのある食材を使って献立をたてます。

 

 血瘀タイプの人は、顔が紫・黒っぽい、肩こり、頭痛などのからだの痛みなどの症状が出やすいです。

中華風煮込み


いかと他の食材で、団子風にして、葉物野菜と一緒に中華風煮込みにしました。

和えもの


 おからと黒豆をアレンジして、洋風に炊いてみました。

 洋風の味なので、小さなお子さまでも、営養のあるおからを、美味しく食べられます。